また別の日、ぶりっ子ママが出勤してきた。
この前「変えて」って言った手前、さすがに今日は大変なほうの仕事をやらざるを得ない。
しかもこの日は、よりによってイラ神が出張。
頼れる甘やかし要員、不在。
ため息=努力のアピール
ぶりっ子ママは朝からため息を量産しながら作業開始。
「はぁ……」「あぁ……」「ほんと大変……」
(※作業は進んでいない)
昼を過ぎ、夕方が近づいても終わらない。
そして定時前、堂々の宣言。
「これ、終わらないから。次来た時にやるわ」
そう言い残して、何事もなかったかのように帰っていった。
残された側の現実
ぶりっ子ママが帰ったあと、職場はざわつく。
「……あれ、溜められると普通にやばくない?」
「イラ神、ぶりっ子ママいないとやらないしね」
「結局、誰かがやる羽目になるよね」
完全に嫌な予感しかしない反省会。
そのとき、ドジリーナがぽろっと言った。
「いいですよ。両方私がやっても。大したことないので」
そして本当に、さらっと全部片付けてしまった。
誰も止めなかった。
また別の日、そして勘違い
さらに別の日。
ぶりっ子ママが出勤してきて、作業が片付いているのを発見。
一瞬で理解した答えは、これ。
「イラ神がやってくれた♡」
「ありがと〜♡」
甘え声で話しかけるぶりっ子ママ。
イラ神の返答。
「俺?知らないよ」
空気が一瞬止まる。
そこでようやく、ドジリーナがやったことに気づく。
……が。
何も言わない。
お礼もない。
なかったことにするという高度なスキルを発動。
ぶりっ子ママの脳内正当化
(ぶりっ子ママ脳内)
「だって言われてないし」
「勝手にやったんでしょ?」
「私だって大変なんだから」
「それに今日は今日で仕事多いし」
脳内では完全無罪。
むしろ被害者。
ため息は止まらない
その日も、ぶりっ子ママは言う。
「あ〜、今日の分も多くて大変〜」
ため息フルセット。
仕事は、溜めたまま。
そして定時。
また帰る。
何も言わずに。
静かな末路
その後どうなったか。
ドジリーナは、何も言わずに処理し続けた。
ぶりっ子ママは、何も変わらなかった。
でも、周りは変わった。
誰も期待しなくなった。
誰も頼まなくなった。
誰も文句すら言わなくなった。
ぶりっ子ママは気づいていない。
「何も言われない=許されている」だと思っている。
違う。
もう、戦力として数えられていないだけ。
仕事を溜める人は、仕事を残す。
仕事を片付ける人は、仕事を背負う。
そして一番怖いのは、
何も言われなくなった人が、それを「平和」だと勘違いすること。
その頃にはもう、席はあっても居場所はない。

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