昼前、突然の「消えた」宣言
昼前。
くるりんが、突然ガタッと立ち上がった。
「やばい!ファイル、消えた!!!」
その声に、オフィス中が凍る。
よりによって、全員が共有で使っているフォルダ。
進行中のデータも、資料も、
き・え・た。
イラ神が、低い声で言う。
「……バックアップは?」
「たぶん……取ってないっす」
「“たぶん”じゃねぇだろ」
責任の行き先は、いつも曖昧
ぶりっ子ママが、冷たい笑顔で口を挟む。
「ねぇ、くるりん。
“波動”とかじゃなくて、“手順”って知ってる?」
「出たよ、それ!」と、くるりんがムッとする。
「俺、波動のせいにはしてないですから!
機械が勝手にやっただけです!」
チェック閻魔が、淡々と割り込む。
「昨日、サーバーに
“愛のエネルギー.jpg”ってファイル置いたの、あなたですよね?」
「それは!モチベ画像!関係ない!」
真犯人、想像よりずっと近く
場の空気がピリつく中、
軍曹が、ゆっくり立ち上がった。
「……全員、ミーティングルームに集合だ。
原因追及と、再発防止をやる」
その直後、ドジリーナが小さくつぶやく。
「くるりんさん……
Wi-Fiの電源、入ってないだけです……」
全員:「…………」
くるりん:
「ほらっ!ほらね!
波……じゃなくて、
気流の乱れ的なやつ!」
この職場で一番強い「圧」
軍曹は腕を組み、
場を支配するように、低く言った。
「この件、全員の“意識”から見直す。
“やる気の波動”じゃない。
“報告・連絡・相談”だ。いいな」
全員、微妙に逆らえず、うなずく。
ぶりっ子ママが、ぼそり。
「……結局この人が、一番怖い波動出してるのよね」
チェック閻魔:
「記録つけときますね。
“支配波動、発生”っと」
イラ神:
「ログにも残すな」
まとめ:波動より怖いもの
データは戻った。
でも、職場の支配構造は、さらに強固になった。
波動より怖いのは、
静かに発動する「軍曹の現場支配力」。
この職場で一番安定しているエネルギーは、
間違いなく——軍曹である。

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